日本一背の高いITジャーナリスト(192㎝)の久原健司です。
先日、ユリ・ゲラーさんが、「ポケットモンスター」に登場する「ユンゲラー」のポケモンカードを許可するとTwitterで明らかにしたというニュースを見かけました。
無許可でポケモンカードに使用されれたとして裁判に
ニュースの内容としては、ユンゲラーは片手にスプーンを持った、サイコパワーを持つポケモンで、ユリ・ゲラーさんは20年前に、無許可で名前などをポケモンカードに使われたとして任天堂に対して訴訟を起こし、その後、ユンゲラーはポケモンカードには登場しなくなりました。
そんな状況だったのですが、ユリ・ゲラーさんは11月29日にTwitterで、「20年前にしたことを本当に申し訳なく思っている。ユンゲラーの禁止を解除する。ユンゲラーのカードが復活するかどうかは任天堂次第だ」と投稿したというニュースでした。
私自身、ポケモンに興味がなかったので、そんなことが20年前に起こっていたことを知りませんでした。
最強の任天堂法務部の理由とは
調べてみると、任天堂の法務部は最強という情報が数多く挙がってきました。
ホントかウソかはわかりませんが、最強と言われる理由をいくつかご紹介します。
●ドンキーコング裁判
任天堂のゲームである「ドンキーコング」は、映画「キングコング」の権利侵害だとして、1982年にユニバーサルからロイヤリティを求めて訴訟を起こされました。
当初支払うつもりだった任天堂ですが、アメリカ子会社のハワード・リンカーン弁護士が、ドンキーコングとキングコングは違う動物だと反論できると自信をのべ、法廷闘争となりましたが、結果的に「キングコング」の著作権の保護期間は切れており、任天堂の勝訴となりました。
●マリカー裁判
この裁判は私も知っているくらい有名な裁判ですね。
公道カートの「マリカー」が、任天堂のキャラクターのコスチュームとセットで外国人旅行者に貸し出し、その上屋号である「マリカー」の商標まで取得してしまいました。
マリカーはマリオカートの総称であるため、任天堂は2016年9月、特許庁に対して商標取り消しを求めました。2017年1月に任天堂の異議申し立てが棄却されたことを受け、任天堂は2月に不正競争防止法違反および著作権法違反として訴訟を起こしましたが、結果的に2018年9月に任天堂が勝訴し、マリカー側に1千万円の支払いが命じられました。
マリカー(現在はMARIモビリティ開発社に改称)し、2018年9月28日に知財高裁に控訴し、法廷闘争は続く見込みとなっています。
●3DS裸眼立体視特許裁判
任天堂が逆転勝訴した裁判として、「3DS裸眼立体視特許裁判」があります。元ソニーの社員が、2003年に任天堂本社で裸眼立体視の仕組みを提供したところ、許可なくニンテンドー3DSに採用されたとして賠償金を請求しました。
ニューヨークの1審では任天堂側に対して賠償金29億円支払いを命じた(2014年1月)ものの、2014年12月に任天堂側が控訴し、差し戻し審となった2016年4の判決で、特許侵害がなかったものとして任天堂側が逆転勝訴しています。
顧問弁護士を付けることを考えてみては?
企業には優秀な法務部や弁護士がいかに重要かということを改めて認識させられる裁判の事例ではないかと思います。
私も最近、顧問弁護士を付けました。
起業してから10年ほど経ちますが、弁護士に相談をしたことはありましたが、顧問弁護士を付けたことはありませんでした。
なぜここにきて顧問弁護士を付けたかといいますと、コロナ禍によって、企業同士の契約というものの状況が、よりシビアになってきていると感じたからです。
顧問弁護士を付けることにより、トラブルが起こってから相談するだけではなく、トラブルを未然に防ぐということもできるのです。
顧問弁護士を付けるほど、お金がないという経営者も多いと思いますが、ユンゲラーのニュースを通して、少しでも顧問弁護士の重要性を再認識してもらえると嬉しいです。